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2008taiwan 06/24
 8時30分発、新幹線に乗り込む。少し早いのは、今回の旅行の最南端の地、台南Tainanへ向かうためだ。駅構内のセブンイレブンで朝食を買うが、品揃えはいまいち。台湾はコンビニの店舗数は多いが、個々の店舗面積は小さい場合が多い。ちなみに基本的にレジ袋は無し、必要であれば有料で提供される。もっとも日本のコンビニ客のように、袋一杯に買い物をしている人は全く見かけない。皆、さしあたって必要な物……ジュースとか、お菓子とか、新聞とか……をさっと手に取り、さっさと買い物を済ませている。

 10時18分、台南着。“高鉄”台南駅は原っぱのまっただ中。“台鉄”台南駅まではシャトルバスで移動。ここのバスは、なんと、無料。新幹線の座席のポケットに入っていたパンフレットによると、他のシャトルバスも最初は無料だったようだ。ここもいつか、有料になるのだろうか。

 台鉄台南駅に到着、椰子の木が点在する南国らしい風景。駅前が広いロータリーになっていて、周囲にバス会社毎のバス停が点在する。台南駅は、白亜の堂々たる作り(昭和11年に完成だそうです)。背後に見える円柱形のガラス張り高層ビルはなんでしょう?

 まずは昼ご飯。お目当てのチマキ屋さんまでは徒歩で10分程度。少しでも日向を歩くと日差しにくらくらとしてくるので、信号待ちの時も、極力ビルの影から出ないようにする。これは現地の人も同じ、暑いところで育ったからといって、暑さが平気なわけではない様だ、当たり前か。台北もそうだが、通りに面した建物は、1階部分は歩道スペース分(5〜6メートル)の空間を空けて、2階以上は車道ぎりぎりまで張り出して建てられている。土地の有効利用、かつ、歩行者に日陰を提供できる仕組みだ。どのビルも「この歩道はうちの土地だ」と主張するが如く、タイルでオリジナルな模様を作り舗装している。それだけなら楽しい町歩きだが、建物毎に歩道の高さに数10センチの違いがあり、車椅子はもとより、自転車の通行も不可能となっている。歩行者も何処でつまずくかわからないので、細心の注意が必要だ。

 めざす再發號肉粽(再発号肉粽)に到着。台湾一美味しいと評判のチマキ屋さんだ。知らなければ気にも止めず通り過ぎてしまいそうな店だが、店内には有名人(と思われる)の写真が自慢げに飾られている。基本メニューは、大、中、小、のチマキ。大きくなるほど具材も豪華になってくるが、大は1つ500グラムなので小食な人には厳しいかも。しかしせっかくなので、大、特製海鮮八寶肉粽を注文。ちなみに日本語不可だが、日本語メニューは用意してある。

 既に皮をむいた状態で、タレをかけた物が出される。竹串(サジ?)が付いてくるが、箸の方が食べやすい。思ったよりも“もちもち感”は少なく、箸で簡単に崩せる。崩すと中からごろごろと具材が出てくる。何が出てくるかわからない、まさに“寶”(宝)肉チマキだ。大きいが、意外としつこくなく、あっという間に食べてしまった。一緒に頼んだ、蛤仔湯(ハマグリのスープ)もやさしい味で、絶品。

 駅前に戻り、今日の目的地、玉井へ向かう、興南客運のバス停へ。バスの旅は乗り過ごしたりする不安があるが、玉井行き、と、玉井経由なんとか行き、が有り、玉井行きを選べば終点なので安心して乗れる。どちらも結構便数は多いので、予め時刻を確認していなくても大丈夫でしょう。20分程で、目的のバスに搭乗。運転席の周りにおびただしい数のドラえもんマグネットが貼られた、ドラえもんバス。

 幾つもの町を抜け、玉井を目指す。途中、小さなバスターミナルを通過。昔日本でも地方のバス会社が元気だった頃にあったバスターミナル(バスセンター)を思い出す。だんだんと民家が少なくなり、気がつけば一面のマンゴー畑。丘一面ミカン畑、のような感じで、見渡す限り、今が盛りのマンゴーの森が続いている。

 台南から1時間ほどで、玉井に到着。ちいさなロータリーで降ろされ、はて、何処へ向かったらよかろうか?、困っているとおじさんが「あっちだ、あっち」と指を指す。え、何処に行かせようとしてるんだ?、「マンゴー、マンゴー」、おじさんが笑顔で指を指す。そう、まさにマンゴーを探してここまで来たのだ。おじさんの指さす方に歩いていくと、マンゴーの濃厚な香りが漂い始める。目指す青果市場、玉井郷公共造産青果集貨場だ。

 巨大なかまぼこ形の屋根の下、かごに山積みのマンゴーが一面に並べられている。青果市場だから、季節によってはパイナップルやバナナ等、色々な果物が並ぶはずだが、今の時期は、ほぼ、う〜〜〜マンゴー!!、一色。たくさんの農家がそれぞれ自分の店を広げ、何処を歩いても呼び止められる。こんなにマンゴー売りが集まって、ちゃんと商売になるのだろうか。街道沿いでトラック販売でもした方がよさそうだが。

 山盛りのマンゴーを買っても食べきれないので、そんな時は、マンゴーかき氷。市場の一角に数件の飲食屋があり、軽い食事もとれる。カレー皿くらいの大きさの器に、どんぶりですくった大盛りご飯、もとい、かき氷をのせ、上から刻んだマンゴーをたっぷりと……大盛りの氷が見えなくなるほど……のせる。そして最後にアイスクリームをひとすくい。2人で1人前を食べる。マンゴーの産地で食べる、とれたてマンゴー。わざわざこれを食べる為に、新幹線に乗りやって来ました。

 わずか1時間ほどの滞在で、帰路につく。帰りの便は台南駅が終点ではなく、駅を通り越してバス会社のターミナルまで行くので注意。乗り過ごしてしまいました。もっともより市中心部に近付くので、観光や、名物の肉圓を食べに行くにはそちらの方が便利かも。

 台南駅に着き、台鉄駅行きのバスを待っていると、急に風が出て空が曇る。これぞ熱帯の醍醐味、スコールの到来だ。強風で椰子の木がしなり、どこからか飛ばされてきた折れた枝が歩道を塞ぐ。雨が降り始めるが、傘をさす人はいない。これだけ暑いと、多少は濡れた方が気持ちが良いし、濡れてもすぐに乾く。アスファルトに降る雨も、なかなか路面を濡らすまでには至らず、暫くは独特の香りを漂わせるばかりでたちまち雨を吸い込んでゆく。気温は一気に5度以上下がり、涼しささえ感じられるようになった。

 台鉄台南駅、空をオレンジ色に染め遙か地平に沈みゆく太陽を眺めながら、新幹線を待つ。売店で買った鐵蛋(鉄玉子)を食べる。台湾北部の町、淡水の名物だが、真空パックで売っていたので買ってみた。真っ黒に煮込まれてかなりの弾力だが、鉄と言うほどの硬さではない。食べてみると、これぞまさしく台湾の味と香り、お土産に持って帰ると話題になること間違い無しです……賛否両論でしょうが。

 18時53分発、台北行き。夕食は高鐵便當(高鉄弁当)。昼、夕の特定便で、車内ワゴン販売される唯一の弁当だ。日本だと一日中、沿線の多種多様な弁当が売られているが、台鉄のワゴン販売は基本的に飲み物程度と考えた方がよい。照燒烤雞便當(鳥の照り焼き)と醬燒豬排便當(豚の醤油焼き)の2種類が有るが、残念なことに豚は売り切れ。鳥をいただく。ご飯の上に鳥肉が乗っていて、付け合わせはブロッコリー、卵焼きetc…。味の方は、なんだか普通だなあ。台湾らしさが全くなく、普通のコンビニ弁当だ。台湾の味に慣れてくると、全く物足りない。うーん、あ、そうだ、さっきの鉄玉子。ご飯と一緒に口に運ぶとあら不思議、ただの白米が、あっと言う間に台湾味に早変わり。

 20時36分、台北着。新幹線のおかげで、台北から台湾全土が日帰り圏となった。天候に左右されにくく、時間に正確。おまけに台南まででも片道1,080元(約4,000円)と日本に比べれば格安。レンタカーの利用が難しい現状では、手軽に効率よく廻るのに最適な交通手段だ。まあ、マンゴーを食べるためだけに1日使うのは、あまり効率が良いとは言えないか。

 5日目、終了。


06/24 end


Photo
台湾新幹線緊急出口puffin 台湾新幹線緊急出口
別に窓が外れたりするわけではなく、左にあるハンマーで割って出ろという事です。
台鉄台南駅puffin 台鉄台南駅
日本統治時代に建てられました。南国の風景に溶け込んでいます。
再發號肉粽puffin 再發號肉粽
征服欲をそそるこの出で立ち。
青果市場とマンゴーかき氷puffin 青果市場とマンゴーかき氷
濃厚なマンゴーの香りに包まれて食べるマンゴーの味は、幸せな気分にさせてくれます。
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