フォート・ギャリーHotel Fort Garryでの4日ぶり、2度目の朝食。今度は何を作ってもらおうかとシェフの動きを伺う。よし、今日はハムエッグ。厚切りのハムに、ダブルの卵を両面焼きで載せてもらう。昨日まではセルフサービスの朝食だったので、いれたてのコーヒーと共にいただく温かい食事は贅沢な気分。
今日は一日ウィニペグWinnipegに滞在。極北の町でのいろいろな事態……冬場は天候の悪化に注意しましょう……を想定した予備日なので、特に予定はない。だがウィニペグまで来たのなら行くべき場所は一つ。例のクマを探しに、ホテルの前からタクシーに乗り、「動物園まで、お願いします」。
ウィニペグの中心街から西へ5キロ(空港からは南へ2キロ)行ったところにアシニボイン公園Assiniboine Parkがあり、その巨大な公園の一角に動物園がある。公園の入り口から動物園まではさらに1キロあるので、タクシーで行く場合はちゃんと動物園の入り口まで送ってもらいましょう。
「……(「地球の歩き方」を見せながら)……これって、何処にあるの?」
「なんだっけ……ああ、すぐそこよ」
東門から入るとすぐの所に、そいつは居た。クマのウィニー(ウィニペグ)Winnie-the-Bear、言わずと知れた、クマのプーさんWinnie-the-Poohのモデルとなった熊の銅像だ。ウィニペグのお馬鹿な“Pooh”クマが、ディズニー帝国のナンバー2にのし上がるまでの話は各自勝手に調べていただくとして、ウィニペグを紹介するガイドブック……ウィニペグを無視するガイドブックも多いが……には必ず載っている割には扱いが地味だ。入り口で貰った園内の案内図にも載っていない。兵士がクマにミルクをあたえている場面を銅像にした物だが、結構リアル、足下にはなぜかリンゴが落ちている。顔だけ見ると犬のようで、プーさんのイメージからはほど遠い。
目的は達したが、せっかく来たので園内を散策。街の規模(60万都市)の割には貧相な感じ。使われなくなって、草が生え放題の檻も多い。“PLEASE HELP ME(助けてください)”と、寄付をお願いしているシロクマの貯金箱が、悲壮感を漂わせている。そんな動物園の中で、一番目立っていたのがプレーリードッグ。園内のいたるところを走り回っていて、土のあるところは何処も……芝生だろうが、鹿の足下だろうが……穴だらけになっている。日本ではペットとして人気があるが、北米では畑を荒らす害獣扱い。ここはプレーリードッグに残された、数少ない楽園のようだ。
お昼を回り、街に戻ることにする。地図を見て、南門そばのバス停に行くが時刻表がない。切符売り場のお姉さんに「街に戻るにはどうすればいいの?」か聞いてみると、「来たバスに乗って、ダウンタウンに行きたいと言いなさい」との事。タクシーと両にらみで待っていたが、先に来たバスに乗り込む。
途中で一度乗り換えて……ドライバーが教えてくれました、ちなみに短時間の乗り換えの時は一つの切符で行けます……ダウンタウンに到着。宿泊しているホテル近辺とは違い、デパートやオフィスビルが建ち並ぶ賑やかな所だ。さて、昼ご飯はどうしよう、困ったときのロンリープラネットLonely Planet頼み。お薦めの店の中からSalisbury Houseへ。ウィニペグとその近郊に多数店舗を構える、ファミリーレストランとハンバーガーショップの中間のような、チープなカジュアルな感じのレストランだ。新商品のWinniを注文。炒めたタマネギとオリジナルサルサソースが売りのホットドッグだ。厨房のおばあちゃんが複数の作業を同時進行出来ないため一品毎に手をかけて作るためかなり待たされたが、それを差し引いても合格点を出せる味であった。
カナダ国内最大のファーストフード(マクドナルドの約2倍)、コーヒー(スターバックスの約9倍)、ドーナツ(敵無し)チェーン店であるティム・ホートンズTim Hortonsでドーナツを買い、ホテルに戻る。ルームサービスでホテル自慢のコーヒーを注文し、ほっと一息。まだ午後の4時だが、明日の帰国に備えて、今回のカナダ旅行はこれで締める事にした。ゆっくりと風呂に入り、非常食の在庫一掃で夕食を済ませる。ケーブルテレビでツール・ド・フランスLe Tour de Franceを観戦。フランスの田舎町を、のんびりドライブするのも楽しいかなあ、と、思いながら眠りにつく。
07/11 end
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