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2007canada 07/10
 
    「11時半の便で帰るので、空港まで送っていただきたいのですが?」
    「じゃあ、10時半にロビーで」

 ローカルな空港のチェックインは、1時間も必要ないらしい。って事でゆっくりと朝食を済ませ、ロビーに居た南アフリカ人夫婦と歓談。ロンドン、トロント、ウィニペグと乗り継いで来たそうだ。あと2日ほど滞在して、カヤック、シュノーケリングにも挑戦すると言う。悠々自適な感じで、うらやましい。

 空港までは、いつものバンでダグラスが送ってくれる。ダグラスはロッジに泊まっているらしく、朝夕、顔を合わせる度に優しい笑顔を向けてくれた。また、ツアーの間は写真を撮ってくれたり……メールで送ってくれました……してさりげなく気配り。最後は握手でお別れ、楽しい思い出をありがとう。来たときと同じ、カーム航空Calm Airのターボプロップ機でほぼ定刻に出発。滞在期間中(8、9日)の最高気温8.6度、最低気温5.8度。極北の、短い夏の冒険旅行は終わりを告げた。

 相変わらず、つかみ所のないウィニペグWinnipegの街を通り、3日前と同じフォート・ギャリーHotel Fort Garryにチェックイン。今回は338号室、窓からはVIAの駅方面がよく見える。さて、ウィニペグ散策&夕飯探し。実はホテルのすぐ横に、ホテル名の由来にもなっている重要な史跡がある。1822年にハドソン・ベイ社Hudson's Bay Companyがこの地に作った砦、アッパー・フォート・ギャリー・ゲートUpper Fort Garry Gateだ。

 砦と言っても今は壁の一部が残っているだけで、公園として整備され、記念碑的な位置づけとなっている。ここのホテルを利用していなければ、わざわざ足を運ぶことも無かっただろう。知っていて利用したわけではない……他に適当なホテルが見つからなかった……が、チャーチルChurchillから始まるハドソン・ベイ社歴史ツアーの締めくくりとして、旅の区切りとなった。ホテルを背景にして、砦の写真をパチリ。

 フォート・ギャリーの次は、フォークス・マーケットThe Forks Marketに土産物を探しに。線路をくぐると川沿いに広大な敷地があり……昔は先住民との交易の場として、鉄道開通後は操車場として使われた歴史地区……ショッピングセンターや公園となっている。食料品から衣類、雑貨に至るまで、見て歩くだけで楽しいような、つまんないような……。メープルシロップ関連のお菓子やマニトバ州シャツ……州の“鳥”である“蚊”をデザインした物が多い……など、チープな土産物を探している人にはお薦め。

 6時、そろそろ夕食にしよう。マーケット内にあった燻製BBQ屋Muddy Waters Smokehouse BBQ & Bluesへ。ちなみにWinnipegの語源は、先住民の言葉で“muddy waters”(泥水)を意味する発音から来ている。チキンとリブロースのセットを注文。どちらも燻製にした物をグリルし、特製ソースをからめて仕上げられている。普通リブロースと言えば、かぶりついて骨から肉を引き剥がすようにして食べるが、じっくり時間をかけて調理しているここの肉は、ナイフとフォークだけで簡単に取り分けることが出来る。そして美味い。

 ビールを飲み、良い気分でもう少し散歩。レストラン付きの橋を渡り、レッド川Red Riverを超えると、町の様子が一変する。通りの名前は“St”から“Rue”へ。店の名前は“Cafe”から“Café”へ。人々の会話は「グッドイブニング」から「ボンソワール」へ。ここは完全にフランスの街だ。ケベック州独立問題が今もくすぶり続けているように、カナダはイギリス系移民とフランス系移民の二重構造を抱えている。と、知識としては知っていたが、同じ街で、こんなにもくっきりと分かれているとは驚いた。


 きれいな住宅街の中には、1818年に建てられたサン・ボニファス教会St.Boniface Basilicaがあり、フランス人街のランドマークとなっている。火災による焼失で、創建当時の建物は張りぼてのように建っている正面部分……背面には別の建物がこぢんまりと建っている……だけだが、ステンドグラスが埋め込まれていたと思われる大きな丸窓が、かつての荘厳さを想像させる。フランス語が堪能な人は、この付近を散策して夕食はフランス料理レストラン……て言うのは如何でしょうか?

 再び川を渡り、ホテルへ戻る。公園にはスケートボード、マウンテンバイクの為の専用コースがあり、若者達がハーフパイプに挑んでいる。子供達用の周回コースもあり、夜8時というのに親子連れで賑わっている。つかみ所のないウィニペグの街だったが、少しずつ、街の色が見えてきた。さて、明日はどんな景色に出会えるだろうか。


07/10 end


Photo
カーム航空puffin カーム航空
安全のしおりは、英語、フランス、エスキモーの3ヶ国語。
フォート・ギャリーpuffin フォート・ギャリー
ホテルを背景に記念撮影。
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