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2005alaska 09/11
スワードへ

 薪ストーブって、難しいなあ・・・。それはさておき朝食。「クマが出るそうなので、ご一緒してもよろしいかしら?」と言うご婦人・・・え、ホテルの敷地でもクマが出るの?・・・とレストランへの階段を下りる。「昨夜ノーザンライツ見ました?、え、見てないの。すごかったわよぅ、残念ねぇ」・・・。なんてことだ。薪ストーブと格闘している間にオーロラが出ていたとは・・・。

 スワードSewardへ向けて出発。1時間程度で寂れた感じの港町に着く。11時45分発のメジャー・マリン・ツアーズMajor Marine Toursのクルージングにはまだ時間があるが、受付だけ済ませる。整理券を貰う。港には同じような事務所が沢山並んでいるが、まだ早いのか、シーズンオフに入ってしまったのか、閉まっている所が多い。

フィヨルドクルージング

 搭乗時刻となり、船に乗り込む(その前に乗船口で写真を撮られる・・・案の定、後で売られていた)。整理券番号毎に5〜6人で一つのテーブルが割り当てられ、我々は1階の右舷の席となる。まあほとんどデッキで風景を見ているのであまり席は関係ない。

 デッキに立つ。風を受け寒い。港を出てすぐ、最初に現れた動物はラッコだった。なんかゴミが流れているなあ・・・と、ぼーっと眺めているとそれがラッコ。寝ているのか、船がすぐそばを通っているのに流されるまま微動だにしない。野生動物のあまりのやる気のなさに感動してしまった。

 次に現れたのはハクトウワシ。木の上に大きな巣がある。ワシが居るのは確認できたが枝に隠れてよく見えない。妻がもう一つ別な巣を見つける。こちらも巣は大きいが居るのかどうかよくわからなかった。

 お次はトド。日向ぼっこのように・・・小雨だけど・・・大きな岩の上に集団で寝そべっている。こちらも全くやる気がない。

 そろそろおやつの時間だなあ・・・と思い始めた頃、やっと昼飯の時間となった。プライムリブとアラスカサーモン、サラダとパン。テーブルの番号順に呼び出しがかかり、カウンターに取りに行く。ちなみにコーヒーや紅茶は飲み放題、ソフトドリンクとアルコールは有料。実はちょっと船酔いの前兆のような状態になったため、食べるべきかどうか迷ったが・・・ええい、腹減ってるし食べちゃえ・・・食べてみるとこれが意外と・・・と言うのも失礼だが・・・美味い。お代わりまでしてお腹いっぱい食べてしまった。夕方にはケーキバイキングがあり、食事の面からも満足できるクルージングとなった。

 さて、船はフィヨルド地形の奥へと進み、時々流氷を目にするようになる。いよいよお待ちかね、ホールゲート氷河Holgate Glacierの舌端部に到着する。アラスカクルーズの見所の一つ、氷河の崩落を見ることが出来る。しかし、氷河の下の方に岩盤が見えているところからすると、もう何年かすると陸の上に後退し海に落ちる場面は見ることが出来なくなるのかも知れない。船の安全を確保するためそれほど近くには行けないが、時々起こる小規模の崩落でも結構すごい音が響き渡る。皆カメラを構えていて音がすると視線が一斉に動く(音が聞こえる頃には既に崩落は終わっているのだけど)。結局それほど大規模な崩落は起こらないまま引き上げることとなった。少し残念。

ツノメドリとエトピリカ

 船は小さな島々の間を進む。お待ちかね、パフィン(ツノメドリ)Puffinの登場だ。スコットランド、カナダ(東海岸)、ニューイングランド(アメリカ東海岸)、アイスランドに続いて3年ぶり5回目の出会いだ。この時期のパフィンは冬支度に入り始め全体的に色が少し黒いが、ダサイ飛び方は相変わらずだ。またアラスカでは、パフィンの親戚エトピリカTufted Puffinが同じ地域に生息していて同時に見ることが出来る。実はここに来るまでは、大西洋に居るのがパフィンで太平洋に居るのがエトピリカ、両者の生息分布は重ならないと思っていたが、新たな発見だ。エトピリカは、日本では北海道の東部沿岸に僅かながら生息している。また、東京だと葛西臨海公園の水族館で間近に見ることが出来る(ひょっとしたら日本に生息しているエトピリカの半数はここにいる)。トンちゃんまゆ毛・・・村山富市元総理大臣、もう10年も前だ・・・のような目の上にある飾り羽が特徴。

 帰り道、外洋に出たところで今度はクジラに遭遇。しかし神出鬼没、潮を吹いたかと思うとしっぽを振りすぐに潜ってしまうのでカメラで捕らえることが出来ない。

 夕暮れの雰囲気が漂い、デッキに立つ人も少なくなる。もう今日のショーはお終いかなと名残惜しく遠くの山並みを眺めていた。すると突然海面に数本の白波が立った。「あ、いた、いたいた」と思わず叫びながら指さす先はイルカの群れだ。小さくジャンプしながら船を追い抜いたかと思えば一瞬後にはまた別の所から顔を出す。暫くは併走していたがやがて船とは別な方角へと離れていった。クルージングの幕引きとしては最高の演出となった。

眠れぬ夜

 小雨の中、ホテルへと向かう。ホテル・エッジウォーターHotel Edgewater。なんかビジネスホテルのような素っ気ない作りだ。ロビーにインターネットが使えるPCが置いてあった。アラスカに来てからテレビで見るニュースは全てカトリーナ(ハリケーン)の話題ばかり。日本の総選挙など米国民は全く関心がないのだろう。今日くらいは少しは話題になるかと思って見た今朝のニュース・・・日本は既に11日の深夜なので結果は出ているはずだ・・・は、911の追悼番組ばかりだった。さて、日本語のニュースサイトを見ての驚きは・・・日本国民共通でしょうから省略させていただきます。

 眠りにつく・・・するとどこからか金属が振動しているような音が聞こえてきた。暫くは布団に潜り寝ようとしたが気になってしまいとても眠れない。原因を調査しよう。最初は隣の自動販売機の音かと思ったが、機械に耳をあててみてもそれらしい気配はない。色々探した結果、なんと音は地下からしている。どうやら何かのコンプレッサーのようだ。フロントの女性に聞いてみると「どうしようもない。気になるなら耳栓をするか?」と、耳栓を差し出す。これ以上文句を言う語学力はないので仕方なく耳栓をして寝る。アラスカ最悪の夜。


09/11 end


Photo
ラッコpuffin ラッコ
(400mm撮影。イメージパックCD2BASEをトリミング)
トドpuffin トド
(400mm撮影。イメージパックCD1BASE)
ツノメドリとエトピリカpuffin ツノメドリとエトピリカ
奥の2羽がツノメドリ、手前の1羽がエトピリカ。(400mm撮影。イメージパックCD2BASEをトリミング)
ホールゲート氷河puffin ホールゲート氷河
氷河の下から轟々と水が流れ出している。
イルカpuffin イルカ
(400mm撮影。イメージパックCD1BASE)
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