北へ
朝から雨。いよいよ今夜からオーロラ観賞がスタートするはずなのに見通し暗いなあ。フェアバンクスFairbanksへ向けてひたすら北上。11時頃、ライリー・クリークRiley Creekの町まで戻ってきた。昼ご飯を調達・・・なんと飽きもせずまたインスタントラーメン。ついでにデナリ・プリンセスDenali Princess Wilderness Lodgeでトイレを借りる。売店で毛皮のコートを売っていた。野生動物を売りにしている国立公園のそばでこの商品は如何な物か・・・。
デナリ国立公園Denali National Park & Preserveを過ぎると道が少し悪くなる。峠を越えれば少しは天気も良くなるかと期待していたが相変わらずどんよりとした天気が続く。無人のキャンプ場で昼飯。
フェアバンクスへ向かう道は途中尾根道となり、タナナ川Tanana Riverが網の目のように分岐を繰り返しながら流れる雄大な姿を見下ろすことが出来る。今回の行程の中でもお薦めのSenic Viewの一つだ。
フェアバンクスを通過。オーロラ観賞のための目的地まではここからさらに4時間の行程となる。町を過ぎて程なくすると、アラスカ縦断石油パイプラインTrans-Alaska Pipelineのビジターセンターがあり小休止。北極海から太平洋まで、総延長5000キロをパイプでつなぎ石油を送っている。マイナス60度に耐えるパイプは日本製だそうだ。店番の女性が話しかけてくる。こちらが日本人だと知ると「今日本史を勉強しているのよ」と参考書を見せてくれた。どうやら明治維新の頃のようだ。日本のことを知りたいと思うアメリカ人が居ることに感慨を覚える。がんばってください。
ゴールドラッシュの町
さて、今日の目的地、マンレイ・ホットス・プリングスManley Hot Springsに向けて出発。フォックスFoxの町・・・町と言ってもガソリンスタンドしか見あたらないけど・・・に到着。ガソリンを満タンにしておく。この先北極海へと続く道は極端に人口の少ないところを通るため、給油出来る所でしておくべし。
紅葉の山の中を通るパイプラインが時折見える。リベングッドLivengoodを過ぎて未舗装路の道、エリオット・ハイウェイElliott Highwayへ入る。ここからがフォード・エクスプローラーの本領発揮だ。砂利道を快適に進む。アイスランド、ハワイ、チュニジアと続いて今回で4回目となるオフロード走行の中では最も快適な道だ。冬期通行止め、レンタカーでの通行禁止と脅されていた割には普通乗用車でも(乗り心地は別にして)問題なく走れそうな感じ。山全体が黄金色となった景色は別世界のようだ。
フォックスから3時間、ちょっと薄暗くなった頃、やっとマンレイの町に到着。今日の宿、マンレイ・ロードハウスManley Roadhouseは橋を渡った町の入り口にある。バーカウンターに居たオヤジさんにバウチャーチケットを見せると暫く考えた後で2階の部屋に案内してくれた。廊下の突き当たり、鍵を開けてはいると・・・「うっぷすっ」・・・スーツケースが開かれ明らかに誰かが宿泊している様子がある。
1階に戻る。厨房のおばさんと協議した結果、廊下の先ほどと反対の突き当たりに案内された。一応シングルベッド・・・って言うか0.8人ベッドくらい・・・が2つあるが、スーツケースを広げる空間も無いほどの狭さ。おまけにビー玉を転がさなくても目で見てわかるほどに床・・・って言うか部屋全体・・・が傾いている。おまけにおまけにこの部屋には鍵が無い。確かバス付きの部屋を予約したはずだが共同のバストイレ場に案内される。国内外を問わず、間違いなく人生で経験した最悪のホテルだ。
来てしまった物は仕方がない、夕食にしよう。1階の食堂でユーコンサーモンのグリルとフライドチキンを注文。他に客は1組だけだが奥にバーコーナーがあり、そちらには沢山人が居るようだ。食堂には古い写真や道具が飾られていてこの建物の歴史を感じさせる。1906年に建てられたというから来年で築100年、この町が金の採掘で賑わっていた頃のままの姿をとどめている。大草原の小さな家や西部劇のような古きアメリカを感じてみたいと思われる方にはそれなりにお薦めできる。サーモンは、本当にユーコン産かどうかはわからないがそれなりに美味しかった。
シャワーを浴びる。少し泥混じりの水。おかげでバスルーム全体が少し土臭い感じに覆われている。山の中だし気温も低いので飲んだからといってお腹をこわすことは無いだろうが・・・実際食事の時何度か飲んだが無事だった・・・ミネラルウォーターを持参することをお勧めする。ちなみにこの宿では売ってませんでした。
さて、今夜からいよいよオーロラ観測の始まり。だが、外はしとしとと小雨が降り続いている。一日目の夜、断念。
09/13 end
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