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2000finland 08/24
 昨日からの雨はまだ降り続いている。今日はいよいよフィヨルド観光だが、寒さが予想されるので昨日買ったセーターにレインコートを着込み完全防備で出かける。ホテルからほど近い桟橋からフロムFlam行きの観光船が出ている。8時出航なので食事をせずに出かけた。7時過ぎに着いてみると、それらしい観光客が結構いる。しかし売店も船会社の窓口もまだ開いてない。7時半になってようやく窓口が開いた。速攻で並び、速攻で乗船、2階席の一番後ろ、荷物を置いてもシートを倒しても邪魔にならない位置をキープした。

 出航してまもなく売店でホットドッグと紅茶を買い朝ご飯を済ませる。窓外は断崖が続く。しかし信じられないところに家が建っていたりする。通勤手段はボートなのだろうか、車で行けるような道は見えない。

 日本人は僕たちの他には数組。そのうちの一組は若いカップルで、見たところ新婚旅行のようだった。奥様の方は嬉しくてたまらない感じで甲板に出て写真を撮っている。ご主人の方はあまり出てこない。

 ソグネフィヨルドに入り、いくつかの町を過ぎる頃、天気が回復してきた。入り組んだ地形の彼方には万年雪も見える。やっとフィヨルドらしい景色になってきた。

 途中、天から降り注いでくるような滝の前で何度か停泊する。13時半にフロムFlamの港に着いた。高い山に囲まれたわずかな平地に点々と建物がある。乗り換えの時間が余り無いので早速食事にする。ノルウェー風ハンバーグのなんとかと、フィッシュスープを食べる。石井のミートボールとクノールのカップスープのような味だった。

 食事後すぐに駅に向かう。標高がほぼゼロメートルのフロム駅から、数百メートルを駆け上がりミュールダールMyrdalまで至るフロム鉄道Flamsbana。14時35分発。ガイドブックどおり、進行方向右手のボックス席をキープ。左手のボックス席には少し年輩の4人組が座っていた。

 急勾配を、そろりそろりと登っていく。谷間に少しばかりの家や教会が見える。谷間を流れる川の水は青く澄んでいる。山の頂には雪が見える。「世界の車窓から」のような風景の中を走っている(日本に帰ってからしばらくしてここの路線が実際に放映された)。妻も嬉しそうにビデオカメラを回している。そんな妻を向かいのボックスの女性が微笑ましく見ている。目があったので、こちらも微笑みを浮かべながら軽く会釈をした。

 途中大きな滝の前に停車した。ここは写真撮りどころで、殆どの乗客は列車を降りて滝の方へ向かう。物凄い水飛沫でカメラも体も直ぐに水滴だらけになってしまった。暫くすると滝の傍の岩場に民族衣装のような物を着た女性が現れた。何事かと思っていると精霊のような歌を歌い始める。どうやらおきまりのイベントらしい。それにしても水浸しになり寒くないのだろうか。次の列車が来るまでの間は何処で休んでいるのだろうか。

 ミュールダール到着。フロム鉄道のホームの反対側がオスロとベルゲンの間を結ぶベルゲン鉄道のホームになっている。20分ほどの待ち合わせでベルゲン行きの特急が来る。

 ベルゲンまでは2時間弱、トーマスクック(時刻表を作っている会社)の選ぶ、ヨーロッパの景色の美しい鉄道10選にも数えられているベルゲン鉄道は、その評価に無条件で納得できるほどの美しい景色の中を走り抜けていく。暫くうとうとした後に目に飛び込んできた景色、湖の向こうに氷河浸食の急斜面があり、天上の雲間から幾筋もの滝が流れ落ちるヨーロッパ絵画のような景色は、強く頭の中に焼き込まれた。妻はずっと寝ていたようだが。

 18時前、予定どおりベルゲンに到着。朝とは違い、いい天気となっていた。レストランを探してぶらぶらと。今日のお目当ては鯨のステーキ。やっと一軒の、少し高級そうなレストランを見つけた。喜び勇んで入る。殆ど満員の状態だったが、幸運にも席を確保することが出来た。望みどおり僕は鯨のステーキ、妻はお奨めの魚料理を注文。地ビールを飲みながら待っているとドドーンと登場。感無量。まあ鯨なので特別美味しいわけではないが、それでも満足であった。また妻の魚料理に付いていたザリガニを頂く。8月下旬は、特にスウェーデンでザリガニが大量に捕れ、名物料理になっている。喜び勇んで口にしたが、なんだか泥臭かった。

 ほろ酔い気分でホテルに戻る。だいぶ疲れが溜まってきたのか、湯船でうとうとしてしまった。明日はオスロに戻る。旅もいよいよ終盤。


08/24 end


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ソグネフィヨルドpuffin ソグネフィヨルド
ここは海です。
フロム鉄道からの風景puffin フロム鉄道からの風景
「世界の車窓から」って感じ?
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