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2000finland 08/22
 朝風呂ならぬ、朝サウナ。健康健康。今日の朝ご飯は、パンを温かいミルクに浸したような物。まあまあのお味。

 昨日に続き、車を北に走らせる。イナリInari湖まで行くのが目標。昨日もそうだがたまにぱらぱらと雨が降り、そのときばかりはフロントガラスの掃除が出来る。ただ、低い位置から斜めに差し込む北極圏の太陽のせいでつねにお天気雨状態。

 お昼前、イナリ湖に到着。今回の旅の最北の地。氷河湖特有の複雑な形をした美しい湖であった。食事をするところもなさそうなので、イバロの町まで引き返すことにした。途中、湖岸の眺めの美しいところに車を停めて写真を撮る。先客の老夫婦が笑顔で挨拶しながら去っていったのが印象的だった。

 お腹が空いた妻がお菓子の袋を取り出した。自分で食べればいいのに僕に毒味をさせる。グミや、キャラメルのような物やら色々だが、真っ黒な色をしたお菓子がたくさんある。一口食べただけで不味くて耐えられずやめてしまった。日本に帰ってから調べてみると、これらのお菓子はチコリスと言う物が原料らしい。日本ではカンゾウ(甘草、彼岸花の仲間)と呼ばれる物で、根っ子を加工して漢方薬として使うようだ。フィンランド料理は結構美味しいと思ったが、これだけは全く信じられない味だった。

 順調にロバニエミまでの道を走る。途中、白のトナカイを見た。まだ子供なのだろうか。

 今夜のお宿は夜行列車。ロバニエミの駅に向かい、サンタクロースエクスプレスの切符を受け取る。多くのバックパッカーが切符を求めて並んでいる。

 晩飯はトナカイの肉を求めて町をさまよう。地球の歩き方に載っていたレストランを探すがなかなか見つからない。結局載っていたトナカイ料理レストランは存在せず、訪ねたホテルのレストランにたまたまあったトナカイ料理を食べることになった。フィンランド語のメニューでは調理方法は全く不明。出てきたのはマッシュドポテトの上にトナカイのバラ肉が乗った物だった。取り立てておいしい物ではなかった。その上匂いがきつい。しかしこの日の特別メニューで一番安かったせいもあってか多くの人が同じ物を注文し、おいしそうに食べていた。

 駅に戻る。21時15分の発車にはまだ1時間程度あったが、ホームには既に列車が停まっている。最後部の3両は2階建てのカートレインになっていて、後ろの端から乗り込むようになっている。案内がないので不安に思っていると、他の乗客も同じらしく「この客車はヘルシンキ行きか」と2度ほど聞かれた。やっと見つけた駅員に切符を見せて確認が取れる。ホームは線路と同じ高さなので、重いスーツケースをよっこらせと担ぎ上げるようにして客車に載せる。フィンランドの鉄道は、新幹線と同等か、おそらくそれ以上の線路幅があるため客車もかなり大きめに作られているようだ。天井が高く、かなり余裕がある。

 21時15分、発車の合図もなく、そろりと動き始める。しばらくは車窓を眺めていたがすぐに飽きてしまった。車内探検を兼ねて飲み物を買いに行くことにする。しかし自分たちが乗った17号車から食堂のある6号車までは延々と歩かなければならない。連結部の重たい扉を開け閉めしながらやっと食堂車までたどり着く。とりあえず水を買って戻る。何もすることがないので早々と眠りについた。


08/22 end


Photo
野生のトナカイpuffin 野生のトナカイ
どこまでも続くラップランドの大地。
ロバニエミ駅puffin ロバニエミ駅
サンタクロースエクスプレスと言ってもサンタクロースが運転しているわけではありません。
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