OYOYO Web Site
top image

2002iceland 08/09
 部屋の窓からは目の前にオゥルスアゥ川Ölfusáが見える。昨夜10時過ぎまで芝生を並べている若者達がいたが、今日も朝から芝生貼りを行っている。ちなみにこの川はサーモン・リバーとして有名だそうで、ヨーロッパ中から釣り好きが集まるらしい。

 今日はアイスランド最南端のデルホゥラエイ岬Dyrhólaeyまでの行程。最初の景勝地、セーリャランドスフォスの滝Seljalandsfossまでは1号線を東に走る。コケに覆われた鬼押し出し(溶岩平原)が何処までも続く。途中幾つかの町を過ぎる他は全く同じ景色。セルフォスSelfossから75km、遠くに崖が見えてきた。

 セーリャランドスフォスの滝は、内陸部の観光地、ソウルスメルクÞórsmörkへの分岐点にある。1号線のすぐ脇なので観光客も多い。駐車場には観光バスも停まっていた。滝は落差40m。滝の裏を歩く事が出来るのが特徴。合羽を着て早速出かけた。

 滝の周囲は美しい花がたくさん咲いている。この国に来て、初めて普通の花を見た。ホテル内には切り花がたくさんあったが、野生の花はほとんど目にすることがなかった。滝の裏からは遠く海岸線まで見渡せる。しばし、堪能。

 デルホゥラエイ岬まで真っ直ぐに行くつもりだったが、ソウルスメルクに寄り道してみる事にした。ソウルスメルクへは、かなりの荒れ道と渡河を覚悟しなければならない。アイスランドは国土が広く、人口が少なく、自然が厳しい。国道1号線を除けば舗装路は珍しく、橋がない事は珍しくない。

 しばらくは農道のようなのどかな道であったが、すぐに最初の川が見えてきた。初めての川は、幅1メートル程度の小川。水たまりに入るくらいの感覚で、難なく渡る事が出来た。しかし幾つかの川を越えていくうちに道は荒れ、川幅は徐々に広がっていく。車の勢いでボンネットまで水が上がってくるようになる。ついには川なのか、道なのかわからない湿地帯のような所に行き着き・・・・後何キロあるのかよくわからないし、トイレに行きたいのに休憩所もないし・・・・断念して引き返す事にした。

 帰り道、川の向こうに一台車が停まっている。ジムニーよりも車高の低い、ミニバンのような車だ。何人かで、棒を手に浅瀬を探している。こちらも岸に停めて川の深さを伺う。川に入ると、幾らも進まないうちにすぐに膝のあたりまで水に浸かってしまった。断念して違う道を通る事にする。実は来た時は少し上流の道を通ったのだ。川向こうの人に、上流に道がある事を手振りで示して迂回路を通った。

 川を渡り、もとの道に合流してみると、先ほどの車がまだ岸に停まっている。話をしてみると、どうやらフランス人のようだ。あちらも川には慣れていないようで、「この先の道はどうか?」「この車はどのくらいまでの深さまで大丈夫か?」「マフラーが水面下に入っても大丈夫か?」などと色々聞いてくる。こちらも付け焼き刃であるが、わかる範囲で話をし、「Have a nice trip!!」と言って別れた。果たして無事に辿り着いただろうか。

 なんとかセーリャランドスフォスの滝まで戻り、1号線をさらに東へ。程なく次の目的地、スコーガフォスの滝に着いた。ここも多くの観光客でにぎわっている。周辺にはホテルも幾つか建っている。お昼ご飯にパン付きスープを食べる。このメニューだけはセルフサービス。スープポットから自分でカップに注ぎ、パンを適量・・・・1個か2個、制限があるのかどうか、不明・・・・取り、席に持ち帰る。アイスランドは物価が高いためか、これだけで済ませている人も結構居る。

 スコーガフォスの滝は幅が広く流量もある。落差60m。滝壺の周りに虹が架かっている。近づくと水飛沫が飛んでくる。うーん、マイナスイオン。

 いよいよアイスランドの最南端、デルホゥラエイ岬を目指す。アイスランドの南海岸は、溶岩平原か、もしくは氷河によってもたらされた土砂が広く堆積した黒砂地帯になっているが、デルホゥラエイ岬の部分だけは海岸線まで急峻な崖がのびてきている。また、我が家の旅のテーマにいつの間にかなってしまったパフィンの生息地として有名。1号線を外れ岬への道に入ると途端に悪路に変わり、突端に近づくにつれ急峻になっていく。スズキのジムニー君、オフロード仕様の観光バスに追っかけられながら、息も絶え絶え何とか登り切る。

 駐車場に車を停めて、突端に向かって歩く。西側は美しい海岸線が続き、北側には連なる山々が見える。鳥に興味が無くても訪れる価値のある美しい眺めだ。西側の斜面に多くのパフィンが居るのが見下ろせた。スコットランド、カナダのニューファンドランド、アメリカのメイン州に続き4度目の出会いだが、船に乗らずに来られたのは初めてだ。何度みても愛嬌のある飽きない顔。

 今日の宿泊地ヴィークVík í Mýrdalは、岬からすぐの所にあるアイスランド最南端の町。1号線をしばらく走ると程なくして町に着いた。宿の名前はホテル・パフィンHotel Puffin , Hótel Lundi。小さな町なのでそれほど迷う事もなくホテルは見つかった。が、ホテルと言うよりもB&Bだ。一応看板はパフィンの絵だし、パフィンの剥製が飾ってあったりするが、普通の落ち着いたペンション。まあ「パフィン」と名乗っててもそんなもんだよなあ・・・・なんて思っていたらあらびっくり。ホテルのすぐ裏が崖になっているのだが、なんとパフィンが飛び交っている!!。洗濯物でも干していたらパフィンに糞をされそうだ。まさしくホテル・パフィン。

 夕食は、近所にある、スーパーと一体になった見るからにチープなレストランで食べた。ビール、うまい。めし、いまいち。ま、いいか。

 スーパーの前に女の子が二人座っていた。見ると小石を売っている。河原で拾ったような石に、色々な模様が描かれている。何かで読んだが、アイスランドでは一般的な小遣い稼ぎの方法だそうだ。笑顔で近づくが愛嬌がない。まあいきなり(ひょっとしたら生まれて初めて見る)東洋人が近づいてきたら対応に困るだろう。箱の中の石を手に取ると心配そうにこちらを見ている。2つほど買ったが、最後まで無言で笑顔を見せてくれる事はなかった。

 宿に着いた頃から降り始めた雨が勢いを増している。明日はトレッキングの予定なので少し心配。早めの就寝。


08/09 end


アイスランドなアーティスト
 アイスランドのアーティストと言えば、なんと言ってもビョークBjörkでしょ。日本でも映画「ダンサー・イン・ザ・ダークDANCER in the DARK」で一気にメジャーになりました。しかしここではアイスランドにゆかりのある日本人アーティストを紹介します。

 まずは、GLAY。彼らのファースト写真集「midnight sun」はアイスランド(とロンドン)で撮影されています。1996年の作品です。洪水で流されてしまった木製の橋がGlayの姿とともに写真で残されています。また、ロケの模様を撮影したビデオが発売されているそうです。でも北海道出身の彼らがそんな北の国を旅しておもしろかったのでしょうか。まあ、おにあい、とも言えるか。

 それからヤイコこと、矢井田瞳。ファーストアルバムのジャケットはアイスランドで撮影されたもののようです。公式サイトを見ると、ブルーラグーンに行ったとか、エピソードが書かれています。

 驚くことに、永瀬正敏さん主演のアイスランド映画があります。「コールドフィーバーCOLD FEVER」という作品で、永瀬さんお得意のロードムービーです。旅先(アイスランド)で亡くなった両親の魂を供養するために、冬のアイスランドを訪れる話です。

 2002年12月17日追記。元ジュディー・アンド・マリーのギタリスト、 TAKUYA のソロデビューシングルのジャケットは、ブルーラグーンです。
Photo
セーリャランドスフォスの滝puffin セーリャランドスフォスの滝
アイスランドは雨が多いため、見事な滝がたくさんあります。荒涼とした大地の中のオアシス。
スコーガフォスの滝puffin スコーガフォスの滝
滝壺にお宝が眠っているという伝説があるそうです。
デルホゥラエイ岬puffin デルホゥラエイ岬
みなさんこんな車です。
岬からは、黒砂地帯の黒い砂浜、鯨の穴と呼ばれる岬が見渡せます。
ヴィークの町puffin ヴィークの町
ホテル・パフィンの窓から見たヴィークの町。丘の上にある教会が印象的です。
先読み 先読み 先読み 先読み candybox counter