OYOYO Web Site
top image

2002iceland 08/08
 8時10分発のスカンジナビア航空SASコペンハーゲンCopenhagen(CPH)へ向かう予定なのだが、6時にはまだホテルで朝食を食べていた。妻はワッフルメーカーと格闘している。バイキング形式だが結構種類が豊富でどれも美味しい。ストックホルムStockholm市内へのアクセスも特急で15分程度なので利便性も問題ない。スウェーデン旅行の拠点としてお勧め。

 なんてのんびりしていたらSASのチェックインカウンターは長蛇の列。「国際線ハ2時間前」の成田の常識から言えば少し焦ったけど、出発30分前には無事搭乗口までたどり着いた。ちなみスウェーデンでは入国審査もなかったが出国審査もない。ヨーロッパ諸国の一部(特にEU加盟国間)にはシェンゲン条約なる物があり、最初の入国地(今回の場合はフィンランド)で入国審査を済ませれば後はフリーパスのようだ。身分証明書(パスポート)を見せることもない。国内線感覚で便利だけど、パスポートにスタンプを押してもらえないので少し寂しい。でもこんなんでテロ対策は大丈夫なの?羽田の方がよっぽど厳しいよ。

 1時間ほどでコペンハーゲンに到着。妻はレゴショップを探して空港を走り回る。やっと見つけたが、日本のおもちゃ屋とたいして変わらず、なんとなく不満なご様子。そんな事をしてる間に、搭乗時間となり、いよいよケプラヴィークKeflavík(KEF)行きのアイスランド航空機Icelandairに乗り込む。バスガイドのような帽子を被ったスチュワーデスがお出迎え。

 ケプラヴィークまでは約3時間、到着が近づき、飛行機が徐々に降下を開始すると次第に茶色い大地が見えてきた。所々、猫が引っ掻いたように平行に溝が走っているのはギャウ(地球の割れ目)の一部だろうか。そんな不思議な景色に見とれているうちに荒野の中の空港に降り立った。寒い。CNNの天気予報で数字としては覚えていたが(予報で15度)本当に寒い。半ズボンで立っているアホは自分だけ。空港に着いて最初にした事は、厚手のフリースの購入だった。

 日本円からアイスランドクローナに両替を済ませた後、予約しておいたハーツHertzのレンタカーを受け取る。今回の旅行は、移動は全て車なのだが、アイスランドの荒野を走るためには四輪駆動車、しかもオフロードタイプが必須らしい。しかしこれが結構お高い。今回利用したスズキ・ジムニー(と言っても日本の軽自動車ではなく1300ccクラス)が一番安くて1日約2万円(各種保険料込み)。オートマチックのトヨタ・ランドクルーザーだと約3万円になる。

 車に乗り込んで、操作マニュアルを熟読。マニュアル車を運転するのも数年ぶりなのに、生まれて初めてのオフロード4WDだ。会社の先輩に借りた4WDドライビングテクニックの本と照らし合わせて機能を確認する。ハーツの人が見ていたら心配で目を丸くするところだろう。

 慎重に車を走らせ、今日の目的地、アイスランド版露天風呂のブルーラグーンBlue Lagoon , Blaáa Lóniðへ向かう。空港を出ると一面の荒野。まるで軽井沢(浅間山)の鬼押し出しが延々と続いているような感じ。一本の木も生えていない。

 ブルーラグーンまでは車で15分程度、空港からは南東の位置にある。しばらく東に走ると、南に分かれる道路があったので右折した。右折してすぐ料金所のような物がある。前を走っていて、同じように右折した数台の車が停められている。守衛のような人が居て、一台ずつ何かを確認している。やはり国際空港の周辺なので警備が厳しいのかと思い、気にせずそのまま進んだ。自分の番となり、黒人の警備員の前で停止。

  「身分証は?」と聞かれたのでパスポートを提示。
  「目的は?」と聞かれたので「観光です」と笑顔で答えた。

 すると警備員は「サイトシーイング??」と怪訝な顔をしている。やや間があって、警備員は何かを説明し始めた。何を言っているのかよくわからなかったが、聞いているうちに、空港のすぐ隣にNATO軍の基地があった事を思い出した。なんだかヤバイ状況のようだ。「すんません、戻ります」と告げて、敷地の一部でUターンさせてもらった。本日のオプショナルツアー、NATO空軍基地見学終了。しかし「NATO Air Base」とか、看板出しといてくれよぅぅぅ。

 気を取り直し、またしばらく走り、今度は正しく右折する。遠くの山の麓に白い煙が上がっているのが見える。程なくして、無事到着。ブルーラグーンは、地下から汲み上げた熱水を利用した発電所の「廃湯」を溜めて作った巨大な露天風呂。売店の他に、世界ベスト50に選ばれたレストランも併設する、恐らくアイスランドで最も洗練された観光施設だ。

 早速水着に着替えて・・・・と言っても色々ルールがあるのでご注意下さい・・・・湯船に浸る。湯温37度。入った瞬間は少しぬるめだが、その分のんびりと浸かれる。わずかに硫黄臭く、少し塩あじ(塩分濃度2.5%だそうです)。白く濁って底が見えない。中央部分は爪先立ちするくらいの深さがあるので子供が溺れたら発見するのが大変かもしれない。底は細かい砂利が敷かれていて、歩くと気持ちがよい。ガイドブックの写真では、白い泥パックをして笑っている姿が多いので、底は泥になっているのかと思っていたけど、パック用の泥は別途サービスで置いてあるだけだった。

 30分ほど浸かる。長旅の疲れも癒えるなあ・・・・、ってところで引き上げる事にした。小腹がすいたので売店の横のビュッフェのような所でSoup of the day with bread(本日のスープ、パン付き)を食べる。このパン付きスープは、この先各地でお世話になる事になる。

 今日の宿泊地、セルフォスSelfossに向けて43号線を南下、レイキャネース半島Reykjanesを縦断し南の海岸線に出る。ここからはひたすら東へ。道はすぐに起伏の激しい砂利道に変わり、オフロードの洗礼を受けることとなる。坂を登りきると突然道が消えて・・・・峠の向こうが急カーブになっている・・・・崖から落ちそうになる。小刻みにギアチェンジを繰り返しながら慎重に走らせるが、慣れない車、慣れない道なので何度も滑らせてしまった。

 レイキャネース半島を抜けて平野部に入るとすぐに道は良くなった。1号線に入ると舗装路なので100km/h以上での走行も可能だ。程なくして、セルフォスの町に入った。

 今日の宿はホテル・セルフォスHótel Selfossアイスランド航空が経営するホテルで、今年6月にオープンしたばかり。まだあちらこちら工事中の箇所がある。ガラスを多用した、近代的な建物。

 夕食はホテル内のレストランで食べた。100人近い団体客が食事中で、個人客は自分達だけのようだ。パン付きスープに本日のお薦めの魚料理(鱒か?)。そしてビールを一杯。魚は塩が効き過ぎだった。

 ここのホテルはバスタブ付き。アイスランドではシャワーのみが普通のようで、結果的にバスタブがあったのはここだけだった。お湯を出すと微かに硫黄臭い。ひょっとして温泉?。ゆったり、のんびり、リラックスして眠りにつく事が出来た。


08/08 end


アイスランドのレンタカー事情
 アイスランドにも、もちろんレンタカー屋があります。他のヨーロッパ諸国と同じように、ハーツHertzエイビスAVISユーロレンタカーEuroRent等の大手の他に、地元の中小のレンタカー屋もたくさんあります。

 今回私がハーツを利用したのは、次の2点の理由からです。

 第1に、過去にも他国で利用したことがあり、安心感があった事です。また、アイスランド全土にオフィスがあり、問題発生時のサポートが期待できると考えたからです。荒野の真ん中でトラブルが発生した場合、どういう対処になるのかわかりませんが。

 第2に、ハーツ・アイスランドのホームページから直接予約が出来た事です。他の会社にもホームページから値段の参照や見積もりが出来るところはありましたが、私が見た限りでは、予約まで完了できるところは他にありませんでした。

 アイスランドのレンタカーで特筆すべき事は、オフロードタイプの四輪駆動車が充実している事です。山間部を走る場合、4WD車は必須です。今回私が通った道のほとんどは、観光バスも通るメジャーなルートですが、橋のない川を幾つも渡りました。ちなみにバスは車高を高くした特別仕様です。
 またレンタカーに付ける保険にも通常の保険の他にWP(Water Protection)があります。これはエンジンが水を被って故障した場合に適用される保険です。

 アウトドア好きの方にはハーツのキャンピング用品レンタルがお薦めです。テントと調理器具のセットを希望する人数分借りる事が出来ます。国立公園や各地にオートキャンプ場が整備されていますので泊まる場所には困りません。

Photo
アイスランド航空puffin アイスランド航空
空路でアイスランドに入るには、アイスランド航空しかありません。
ブルーラグーンpuffin ブルーラグーン
アイスランド版、露天風呂。ヤイコ(矢井田瞳)も訪れたそうです。
溶岩大地puffin 溶岩大地
1本の木もない、荒涼とした景色が何処までも続く。
先読み 先読み 先読み candybox counter