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2003hawaii 10/03
 7時起床(と言っても決めていたわけではなく、何となく目覚めた)。言い忘れたが、宿の名前はマヌ・メレB&BManu Mele Bed & Breakfast、ハワイ語で、小鳥のさえずりのような意味だそうだ。名前に違わず、鳥の声がよく聞こえる。窓の外は美しい庭。1泊80ドル(税別)なのでそれほど安いわけではないが、ワイキキWaikikiの高層ホテルでは味わえない贅沢だ。ベーグルを焼き、コーヒーを入れ、朝ご飯を食べる。

 今日の予定はトレッキング(最近は、山頂を目指す登山でもなく、わいわい楽しむハイキングでもなく、歩くことを楽しむ“トレッキング”が流行だ)。海沿いの道を走り、ダイヤモンドヘッドDiamond Headを目指す。カイルアKailuaの街を抜け州道72号線Kalaniazole Hwy.に入ると人家はほとんど無くなり、断崖沿いの道が続く。ハワイの島々には、実はあまり砂浜は無く(ワイキキは人工のビーチだ)固まった溶岩がむき出しの岩に波が打ち付ける荒々しい海岸が多い。ハロナ潮吹き穴Halona Blowholeと呼ばれる場所では、溶岩の空洞に入り込んだ波が高く吹き出し、それを見るための観光客を集めている(ちょっと寄ってみたが、大したものではなかった。時間が悪かったのか)。

 ハナウマ湾Hanauma Bayで休憩。ここは海岸線が大きく窪み、ハワイでは珍しく珊瑚礁が発達しているところだ。自然保護区になっているが、入場料を払えば海水浴やシュノーケリングを楽しむことができる。泳ぐつもりはないので高台から見下ろすだけにした。遠目に見ても青く輝く水面が美しいが、浜は結構混雑しているようだ。サーフィンの練習をしている場違いな人(なにせ湾内は波一つ無いと言う表現が通じるくらい穏やかだ)が居たのが印象的だった。ここで一つ注意。売店で売っているペットボトルの「おーいお茶」は5ドルもするので海水浴に来る人は飲み物を持参しましょう。

 寄り道をしていたら、ダイヤモンドヘッドの入り口に着いた時には11時になっていた。急いで支度をし、トレイル(登山道のことを、トレッキングではおしゃれにこう呼ぶようだ)に向かう。砂浜をはさんで右手に海、左手に高層ホテル、遠くにダイヤモンドヘッドと、ワイキキを象徴する風景として誰もが写真等で目にするこの山は、中央に大きな噴火口の窪みを持つ岩山で、山頂まで1時間程度で往復することができる。その手軽さから多くの人が訪れるため、道は結構混雑している。ただし、本当にただの岩山なので途中見るものは無く、山頂からのワイキキの眺めが唯一最大の目的となる。

 遠足に来た子供たち、関西弁のおばちゃん、サンダル履きで上半身裸のおじさんに挟まれ、「なんだかなあ〜」、な、気分。途中コンクリート製の階段やトンネルがある。ここはそもそも要塞として軍事目的に使われていた所なので、道はしっかりしている。しかしトンネルは真っ暗で、すれ違う人の姿もよく見えない「・・・なんて怖いんだ・・・」と思っていたら実はサングラスをしたまま歩いていた事に後で気付いた。

 トンネルが真っ暗だったことを除けば問題なく展望台(監視台?)に到着。確かにワイキキを一望できる絶景ポイントだ。ホノルル空港を離発着する飛行機が低空飛行をしているのもよく見える。だがやはり面白い山ではない。ここはきっと、後々旅行雑誌やテレビコマーシャルでダイヤモンドヘッドを目にした時に、「ああ、あそこに登ったんだなあ」と思い出に浸るための場所なのだろう。何もすることがないのですぐに下山。

 ワイキキ市内で昼ご飯を食べ、午後はタンタラスの丘Tantalusに向かう。タンタラスの丘は、ワイキキから北へわずか8キロ程度の所だが、ハワイ本来(と言ってもほとんどの植物はここ200年で持ち込まれた外来種だ)の自然が残されている。ワイキキに近い上に見晴らしも良く、高級住宅地になりそうだが、なぜ開発されることもなく残ったのだろうか。ワイキキの8倍と言われる雨の多さが嫌われたのだろうか。理由はわからないが喜ばしいことだ。

 Na Ala Hele Hawaii Trail & Access Systemを見るとこの丘の周辺には数多くのトレイルがあるが、プウ・オヒア・トレイルPu`u Ohia Trailを選んでみた。Na Ala Heleにはトレイル入り口までの道案内も詳しく書かれているので、小さな看板だったが簡単に見つけることが出来た。

 トレイルに入ると、すぐにむせかえるほどの香りがしてきた。辺り一面にグアバの実が落ちている。一帯がグアバの森のようだ。なるべく踏まないようにするが(踏むとよく滑る)、それでも幾つも踏みつぶしてしまう。グアバに続いてはジンジャーの林(生姜。食用ではありません)。黄色の花が咲き乱れている。他にもプルメリアや、素人にはまったくわからない草花が咲き、グアバの香りに包まれて、これぞ楽園の風景といった感じだ。

 タンタラスの山頂にある電話局の施設を通り、下りの道にはいる。ここらあたりは竹林。日本人が持ち込んだのだろうか。しばらく行くとプウ・オヒア・トレイルの終点で、幾つかのトレイルへの分岐となる。駐車場に戻れるコース、カラワヒネ・トレイルKalawahine Trailにはいる。ちょうど丘の東斜面から登り、西斜面を下るような感じだ。またしてもジンジャーの花とグアバの香りとなる。しかし歩道の整備のためか、盗掘されたのか、道沿いのジンジャーが刈り込まれていたのが気になった。

 日が暮れかかってきた。GPS持参とは言え、こんなジャングルの中で夜になるのはご免だ。夕立のような雨が降る。しかし、時折見えるワイキキの夜景は美しかった。何とか日没寸前に舗装道路に辿り着く。車で丘を下るころには真っ暗になった。

 それにしても、ワイキキに何万人の日本人が滞在しているのか知らないが、ここタンタラスの丘では一人の日本人にも会わなかった(会った外人も散歩をしている地元のおじさん2人だけだが)。ワイキキからわずかの距離に、これほどハワイを満喫できる場所があるのにもったいないという思いと、このままそっとしておきたい思いが交差する。運転をしながら色々考えた帰り道だった。


10/03 end


Photo
ハナウマ湾puffin ハナウマ湾
年間100万人も訪れるため、最近は結構汚れているようです。展望台から見ている限りは美しい。
ダイヤモンドヘッドから見たワイキキpuffin ダイヤモンドヘッドから見たワイキキ
手前はカピオラニ公園Kapiolani Regional Pk.。一角には動物園もあります。
植物図鑑puffin 植物図鑑
名前はよくわかりません。
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